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【味の違い編】なぜ海外の日本食は味が違う?米・魚・調味料・調理から徹底分析

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はじめに — 「ちょっと違う」を楽しむ心構え

東南アジアの日本食レストランに入って、多くの旅行者が感じるのは「味が微妙に違う」という感覚です。これは単なる「下手」や「まずい」ではなく、背景にある食材の流通、調理法、現地の味覚嗜好が影響しています。本記事では「何がどう違うのか」を具体的に分解し、違いを理解した上で楽しむコツまでまとめます。

👉 まず基本的な心得を知りたい方は、先に【心得編】の記事をご覧いただくと理解が深まります。

1|米(シャリ)の違い —食感と温度で印象が変わる

日本と最も差を感じやすいのが米です。日本米(短粒で粘りがある)に比べ、東南アジアでは長粒種やブレンド米、あるいは輸入のジャポニカ系でも別銘柄を使うことが多く、粘り・水分量・冷め方が違います。

  • 握り寿司:シャリが崩れやすかったり、口当たりが軽いと「ネタと合わない」と感じることがある。

  • 丼もの:水分量が少ないとソースが馴染まず、味のまとまりが弱く感じられます。
    対策:丼や寿司を頼むときは「シャリ固め・柔らかめ」などリクエストできるか尋ねてみる(店によっては対応可)。また、炊飯設備がしっかりしている店(在留日本人が多く行く店、日系チェーン)を選ぶのが安心です。

2|魚介・肉の流通と冷凍事情 — 「鮮度」と「冷凍技術」の差

日本で当たり前の“朝獲れの天然魚”は海外では希少。物流コストや冷凍保管の都合から、寿司ネタは冷凍輸入されたものや現地の代替魚が使われることが多くなります。冷凍→解凍のプロセス次第で、食感や旨味(脂の乗り方)が変わります。

  • 冷凍(IQF等)技術:高品質な急速冷凍なら比較的良好だが、保管や解凍が悪いと水っぽくなる。

  • 代替ネタ:サーモンや冷凍ツナが主流で、白身や貝類は種類が限られることがある。
    対策:刺身は避けて加熱メニュー(炙り、照り焼き、揚げ物)を選ぶと「素材由来の差」による失望を減らせます。刺身を選ぶなら、調理場の清潔さや客層(在留日本人が多いか)をチェック。

3|調味料(醤油・だし・味噌など)の違い — 微妙な風味の差が大きい

醤油・味噌・だしは、日本の繊細な味わいを作る重要要素。現地で流通している調味料は、日本の銘柄と比べて甘味や塩味、旨味のバランスが異なることが多いです。さらに現地の調味料(ナンプラー、ヤシ糖)を隠し味に使う店もあります。

  • ラーメンのスープ:だしの取り方や水の硬さでコクが変わる。現地の水質はスープ抽出に影響するため、「同じレシピでも味が薄くなる/濃くなる」ことがある。

  • 醤油の味:塩分感や香りが違うと、刺身や煮物の印象が変わる。
    対策:テーブルにある調味料を確認し、醤油やタレは別添えにしてもらうと自分好みに調整できます。

4|調理法と厨房事情 — 油・火力・器具の違いが味に直結

現地の油(パーム油や植物性ブレンド)や揚げ温度、火加減は日本と違う場合があります。天ぷらのサクサク感やとんかつのジューシーさは油と温度で左右されますし、ラーメンの豚骨抽出は長時間煮込める設備が必要です。

  • 揚げ物:安価な油だと風味が変わる。

  • スープ・だし:長時間火にかける文化や燃料コストの影響で、出汁に差が出る場合も。
    対策:揚げ物は「注文してから揚げるか」を聞く、スープはチェーン店や評判の個人店を選ぶのが無難。

5|現地向けアレンジ — 甘さ・辛さ・香草の追加

東南アジアの味覚は総じて**甘味・酸味・辛味・香り(ハーブ)**の要素が強いことが多く、日本食もその地域の嗜好に合わせて変化します。寿司にスパイシーソースをかけたり、照り焼きに甘めのタレを使ったりする例は良く見られます。
楽しみ方:これは「別モノのフュージョン料理」と考えると、旅先ならではの発見になります。

6|メニューの読み方と注文テクニック(初心者向け)

  • 写真付きメニューは視覚情報で失敗を減らせるが、写真は“盛ってある状態”なので過度な期待は禁物。

  • 刺身を避ける基準:メニューに「Sashimi」「Fresh」と明記、かつ店内に鮮魚ケースがあるかをチェック。

  • 注文の一工夫:タレを別添えで、塩分控えめ/油少なめをお願いする。ランチセットや定食はコスパが良い場合が多い。

  • カウンター越しの観察:職人の包丁さばきやシャリの扱いを見ると安心感がある。

7|国別の傾向(ざっくり比較)

(あくまで一般論)

  • タイ:甘めの要素が入りやすく、香草や辛味がプラスされることが多い。屋台文化の影響で“味のパンチ”が強い店もある。

  • ベトナム:魚醤文化の影響で、やや塩味や旨味が濃い印象を受けることがある。

  • フィリピン:油・甘味が強めの調理法が使われることが多く、日本と同じメニューでも味付けがローカライズされやすい。

  • シンガポール:高級店からカジュアル店まで幅が広く、日系チェーンは比較的日本の味に近い。
    ※国や店によって幅が大きいので、“傾向”として捉えてください。

8|実体験ワンポイント(筆者のコツ)

私が学んだのは「期待の方向を変える」こと。初めての店では刺身よりも焼き物や揚げ物を試し、味が合えば次回に刺身トライ。あと、店員に「less salt(塩控えめ)」と頼むと意外に対応してくれる店が多いです。

まとめ — 「違い」を知れば、日本食の海外体験はもっと楽しくなる

味の違いは決してマイナスだけではありません。米・魚・調味料・調理環境といった要因を理解すると、違いを発見する楽しさが生まれます。旅行者としてできることは、店選び(在留者の口コミやチェーン)と注文の工夫(別添え、加熱メニュー優先)です。次は「サービス編」で、接客やおもてなしの違いを深掘りしますので、合わせて読めば現地での日本食選びがもっと上手になります。

価格事情も知っておくと安心です。【価格編】の記事はこちらから