初めての東南アジア旅行。屋台やローカルレストランも魅力的ですが、長旅の途中で「やっぱり日本食が食べたい!」と思う瞬間は誰にでもあります。看板に「SUSHI」「RAMEN」と書かれたレストランを見つけると、つい安心して足を運んでしまうものです。
私もその一人でした。しかし、実際に入ってみると「えっ、これでこの値段?」「味が微妙に違う…」と戸惑うことも少なくありません。最初の頃は何度も“失敗”を経験しました。
そこで今回は、私自身の経験を交えながら東南アジアで日本食レストランを楽しむための4つの心得を紹介します。
スポンサーリンク
東南アジアで日本市区レストランを楽しむための4つの心得
1. クオリティの違いを理解する
最初に衝撃を受けたのはタイのバンコクで食べた寿司。
メニュー写真は立派だったのに、出てきたシャリはパサパサ。ネタもどこか水っぽく、日本で食べる寿司とはまるで別物でした。
当時は正直「失敗した」と思いましたが、あとで知ったのは食材の事情。
-
米は日本米の代わりにタイ米やブレンド米を使用
-
魚介類は現地調達や冷凍輸入が多く、鮮度に限界がある
-
醤油や出汁も現地メーカーのものを使用する場合が多い
つまり、日本と同じクオリティを求めるのは無理があるんです。
「現地の食材で工夫している日本食」と理解すると、むしろその土地ならではのアレンジとして楽しめるようになりました。
2. サービス水準のギャップを受け入れる
ベトナム・ホーチミンでラーメン屋に入ったときのこと。
注文をしてから待つこと30分。ようやく出てきたラーメンは美味しかったのですが、日本なら絶対にクレームが出そうな遅さ。しかもおしぼりやお茶のサービスもなし。
最初は「サービスが悪いな」と思っていましたが、実はこれも文化の違い。東南アジアのレストランでは、
-
提供時間は日本よりゆったり
-
接客はフレンドリーだけどマニュアル的な細かさはない
-
無料サービス(お茶・おしぼり)は基本的にナシ
というのが当たり前です。
「日本の完璧なサービス」を基準にすると不満ばかりが目につきますが、「ここではこれが普通」と切り替えると、むしろリラックスして楽しめるようになりました。
3. 価格は“現地料理の数倍”が当たり前
これは私が一番驚いたポイント。フィリピン・マニラでカツ丼を食べたとき、料金はなんと800ペソ(約2000円)。その前日に食べたローカルレストランの定食は150ペソ(約400円)だったので、実に5倍以上でした。
東南アジア=物価が安い、というイメージで入るとショックを受けます。
実際の価格感はこんな感じ:
-
屋台料理:200円前後
-
ローカル食堂:500〜700円
-
日本食レストラン:1500〜3000円
「日本食=現地では贅沢品」と理解しておけば、会計時に驚かずに済みます。私はそれ以来、「日本食はご褒美」と割り切るようにしました。
4. 過度な期待は禁物
一番大切なのは、過度な期待を持たないことです。
私は以前、シンガポールで「本場の寿司を完全再現!」と宣伝する店に行きました。値段は東京銀座並み。味は悪くなかったのですが、「銀座の寿司と同じ!」と思っていた分、どうしても比較してしまい、満足できませんでした。
逆に、カンボジアで食べた「現地風照り焼き丼」は、甘めのソースにハーブが効いていて「おお、こういう日本食もアリだな」と新鮮な発見がありました。
要は、
-
「日本と同じ味を求める」=失敗のもと
-
「現地風日本食を楽しむ」=満足度が高い
ということ。もしどうしても本格的な味が食べたいなら、在住日本人が通う評判店をリサーチしてから行くのがおすすめです。
まとめ

私が何度も失敗して学んだことを整理すると、東南アジアで日本食レストランを楽しむための心得は次の4つです。
-
クオリティの違いを理解する
→現地食材や調味料による風味の差を前提にする -
サービス水準のギャップを受け入れる
→日本式の完璧さではなく、現地らしさを楽しむ -
価格を把握する
→現地料理の数倍、日本より高額なこともある -
過度な期待は禁物
→「現地流×日本の味」を特別体験と考える
旅行は非日常の連続です。現地の日本食レストランも「安心の避難所」ではなく、「異文化体験のひとつ」と捉えたほうが、はるかに楽しめます。
私自身も「違うからこそ面白い」と思えるようになってから、日本食レストランを訪れるのがむしろ旅の楽しみの一つになりました。
東南アジア初心者の方も、ぜひこの心得を意識して、日本食レストランを旅のスパイスとして楽しんでみてください。